〈4月15、16、17日〉[武蔵野の森総合スポーツプラザ]
【ファイナル】
■ENEOSサンフラワーズ vs. トヨタ自動車アンテロープス
「京王 presents Wリーグプレーオフ 2022-2023」は、4月15日より、ファイナルが武蔵野の森総合スポーツプラザにて行われる。
2戦先勝方式で優勝が決まるファイナル。その舞台へと勝ち進んだのは、3連覇を目指すトヨタ自動車と2シーズンぶりにファイナル進出を決めたENEOSとなった。
両チームは、レギュラーシーズンでは昨年の10月19、20日に開幕戦で対戦しており、このときは、1戦目は第1クォーターから主導権を握ったトヨタ自動車が試合を優位に進めて70―57で勝利。続く2戦目では前半を9点ビハインドで終えたENEOSが後半に追随し、第4クォーターで逆転に成功すると、そのまま73―68で勝ちをおさめた。さらに昨年12月17日には皇后杯の準決勝でも対戦しており、このときはENEOSが77―57で白星を奪い、ENEOSはそのまま決勝も競り勝って皇后杯優勝を果たしている。
今シーズンの対戦成績では2勝1敗と勝ち越しているENEOSは、レギュラーシーズンの順位は4位。シーズン序盤は負けが込んだ時期もあったが、徐々にチーム力を高めて、セミファイナルではデンソーアイリスとの死闘を制してファイナルへと勝ち上がった。
得点の中心は渡嘉敷来夢と長岡萌映子。渡嘉敷はインサイドを起点に攻撃を仕掛け、長岡は自らの得点だけでなく、パスで味方のシュートを演出するなど攻撃の要となっている。さらに、ガード陣では安定感の増した宮崎早織に今シーズン目覚ましい活躍を見せている星杏璃らがおり、シューターの林咲希も3ポイントシュートだけでなく、ディフェンスなどで貢献。また、セミファイナルでは、渡嘉敷、長岡らのバックアップである中田珠未の奮闘も光っていた。
ENEOSは、一昨シーズンはファイナルでトヨタ自動車に敗れて準優勝。昨シーズンは、富士通レッドウェーブとのセミファイナルに敗退し、ファイナル進出はならなかった。そのため、「やっとスタートラインに立ったなという感じです」と、渡嘉敷。2シーズンぶりに臨む大一番に向け、気合いは十分といったところだ。
一方、レギュラーシーズン2位のトヨタ自動車は、シャンソン化粧品 シャンソンVマジックとのセミファイナルでは、苦しい場面を幾度となく乗り越えての2連勝。「声を出すことを絶やさず、コミュニケーションを取りながらしっかり我慢できたことが結果につながったと思います」と川井麻衣はセミファイナルを振り返った。
その川井と山本麻衣のツーガードがしっかりとゲームコントロールし、インサイドでは梅沢カディシャ樹奈が体を張る。馬瓜ステファニーはオールラウンドな動きで攻撃を仕掛け、平下愛佳はアウトサイドシュートを積極的に放つ。また、宮下希保、梅木千夏、シラ ソハナ ファトー ジャらバックアップメンバーも自らの役割に徹しており、プレーオフでは堅実な戦いぶりを見せている。
「ENEOSは個々の能力の高いチーム。私たちはチームで守って、攻めることを忘れずに。お互いを信じて頑張りたいです」と、ファイナルに向けて抱負を語ったのは馬瓜。加えて、「私たちは若いチームと言われますが、この1年間でたくさん経験をしてきて、自分たちのやるべきことを分かっていると思います」とも力を込めた。
「全員で勝ちに行かないと、簡単には勝てないと思うので立ち向かっていきたいです」と、ENEOSの林が言えば、トヨタ自動車の川井もENEOSに対して「(コートに立っている)5人全員で守らないと、簡単にやられてしまうし、強いなと思っています」と発する。
互いの強さを認め合い、リスペクトしながらも、たった一つの優勝カップを奪いに行くファイナル。今シーズンを締めくくる頂上決戦は、15日の15時に、熱戦の火蓋が切って落とされる。