トヨタ自動車 アンテロープス
■大神 雄子HC
「まず『嬉しい』そのひと言です。コーチングおいては勝利が一番の自信になりますし、選手にとっても自信になりますから、『勝つこと』は目標のひとつとしています。若いチームで、今日のように勝ち切れたこと、チャンピオンになれる可能性があるファイナリストに残れたことをすごく嬉しく思います。
自分たちのバスケットは走るバスケット。そこは変えず、ただインサイドのアドバンテージがあると思ったので、そこを突きながら相手ディフェンスを収縮させてアウトサイドシュートを狙うというのを少し強調しました。ただそこにこだわらず、4人が2ケタ得点していますし、リバウンドのところでしっかりノミネートできたというのが一番大きかったかなと思います。
ディフェンスに関しては、インサイドだけを抑えようとか、アウトサイドだけをという考えはまったくありません。1人1人がまずは1対1で、最後のコンテストショットまでしっかりやるというインディビジュアルから、オンボールでの守り方やローポストの守り方など、毎日ひとつずつ丁寧にハビットしている結果が表れているんだと思います。
ファイナルに向けてはしっかり戦い抜くこと。3クォーター、4クォーターも険しい表情にならないよう準備をしていきたいと思います。もう一度全員でコミュニケーションを取って、本当に大好き選手たちですから、みんなで自分たちの目的地に向かう、そこはブレず挑戦してきたいと思います。」
■#4 川井 麻衣
「昨日に続いて試合の入りは良かったんですけど、後半になるにつれて点差を詰められてしまうという流れになりました。それでもずっと声だしを絶やさず、コミュニケーションを取りながら、我慢する時間帯でしっかり我慢できたことが結果につながったと思います。
私はアシストが多く、昨季まではシュートを打つ機会が少なかったんですけど、今季はそこを強み変えようと思って練習してきた結果、シュートなのかパスなのかのセレクトができるようになってきました。どちらかというとアシストをしたいので、常にシューター陣だったり、スペースを見たりしてピック&ロールを使ったり……でも、自分ができない時やミスが出る時は山本にお願いしたり、バランスを取りながら、自分はパス、山本は得点するというイメージを持ってプレーしています。ハンドラーの自分としては、シューター陣にどんどん打ってほしいし、自分の中ではそのようにバランスが取れているので、山本がいてくれて心強いですし、一緒にやっている楽しいです。
キャプテン3人制はすごく良かったと思います。抱え込み過ぎたり、苦しいと感じることもあったんですけど、みんなに助けられたシーズンでした。自分なりに、苦しいことがあっても逃げないで前を向いていこう、その中でも成長できると思いながらいろいろなことをクリアしてきました。逆境でも自分たちで打破しようと向かって行けたことが、全員が成長した部分かなと思います。」
■#23 山本 麻衣選手
「今日は簡単に行くゲームではなくて、苦しい時間帯が多かったんですけど、最後の最後まで全員で声をかけ合って我慢して、もう一度、ディフェンスリバウンドからという原点に戻ることができたのが勝利につながったと思います。
勝負どころの3ポイントですが、今日はあまり入ってなかったんですけどタッチは悪くなかったし、感覚も良かったので(入らないことは)気にせずに打ち続けました。川井さんや他の選手からも良いパスがもらえて、ノーマークで打つことが多かったですから、自分を信じていつも通り打ち続け、あのような場面で決めることができて良かったと思います。
川井さんと一緒に出ることで、自分がボールを持ち過ぎないで上手く預けることができますし、シューターのポジションになれるので、自分一人でやらなくていいという心強さがあります。川井選手がボールを持っている時は、自分はシューターとして動いていてとてもやりやすいです。
若いチームでスタートしましたが、川井選手や周りの選手と話をしながらここまでチームをつくって来れたと思いますから、キャプテン3人体制はよかったと思います。自分自身は当初、チームのことを考え過ぎて自分のプレーが上手くいかないこともあったんですけど、シーズン後半に向けてはキャプテンの役割と自分のプレーに集中するようにメリハリをつけながらやってきたことでしっかり成長できたのかなと思います。」
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■鵜澤 潤HC
「前半に10点以上のリードを許してしまったんですけど、その後よくカムバックできたと思います。苦しい時間帯を何とかみんなでつないで、一時はひっくり返せたんですけど、最後はさすがチャンピオンチーム、試合の運びが上手ですし、自分たちにできたスキを突かれてしまったかなと思います。
突かれたスキというのはご指摘の通り、リバウンドのところ。こういう僅差の時間帯が続く展開で、リバウンドから得点につなげられてしまいました。前半からリバウンドは大きく差が開いていたので、後半に入る際、そこはチームとして意識を高めなければいけないと指示しましたし、選手たちも心掛けていたんですが、そこは接戦になった時間帯にリバウンドでつながれて、相手に流れを持って行かれてしまったかなと思います。3ポイントについてはかなり警戒し、徹底したつもりでしたが詰めが甘かったかなと思います。
今日プレーした選手の中には、昨季ほとんどプレータイムがなかった選手もいます。そういう選手たちが試合を重ねるごとに、どんどん成長していく姿というのは僕自身も嬉しかったですし、今季の苦しい状況の中でも昨季同様セミファイナルまで来ることができましたから、悔しい結果ではありますが選手たちにとってはすごく良い経験になったと思っています。僕自身、ヘッドコーチのキャリアは短く、正直、手探りの部分が多いんですが、選手と向き合って、しっかりコミュニケーションを取ることが大事なんだと痛感しています。」
■#1 小池 遥選手
「3クォーターで同点に追いつき、逆転もできたんですが、その時の良い流れが4クォーターまで続きませんでした。いいところでミスをしたり、リバウンドを取られたり、相手にチャンスを与えてしまったところが負けた原因だと思ったし、トヨタ自動車は前回チャンピオンなんですけど、そういうところが徹底してできているんだなと、対戦して感じました。
昨季まで出場していなかった選手が活躍してくれましたし、試合ごとに活躍選手が違うのはとても良いことだと思いました。そこは自信になったと思いますし、その自信やこの経験を来季に向けて無駄にしないよう、もっとステップできたらいいなと思っています。
今季でキャプテン3季ですけど、1月になって(アーリーエントリーの)若い選手が加入して来た時に、自分が声を出し続けることを意識していましたが、それをやり続けられたなと思います。プレーでもそうですけど、自分が引っ張っていかなければいけないと思ったことと、勝たせるキャプテンにならなきゃいけないと感じたシーズンでした。自分自身にプラスになることもたくさんあったので、苦しいとかは関係なくて、成長できたのかなと思います。
昨季を超えたいという思いがすごくあったんですけど、相手が一歩上でした。そこは自分自身も成長しなければいけないですし、チームとしても成長しなければいけないと思います。来年、またこの舞台に戻って来て、優勝を目指したいと思います。」
■#14 吉田 舞衣選手
「点差を詰めることができた時間帯に、みんながつないでくれたボールだったり、コーチ陣が考えてくれたセットプレーだったり、最終的にみんながつないでくれたボールが自分のところに来た時にシュートを決め切れなかったというのが自分の力不足だったなと思います。
苦しいシーズンでしたが、みんなと一緒なら大丈夫と思えたし、ここにいる2人(鵜澤HC、小池選手)について来て良かったと本当に思えるチームだったので、みんなと一緒に戦えたことは、自分にとって良かったです。
チームではシューターを任されているんですけど、3ポイントだけだとそこを抑えに来るので、シューターだからこそ他にもできることを自分で見つけなければいけないと思っています。3ポイントだけじゃなく、オフェンスでもディフェンスでも、もっともっと頑張らなければと思い続けてやっていたんですけど、まだまだ自分は未熟だなと思うので、もっと成長できるように頑張りたいと思います。
小池キャプテンが、人の見えないところでも頑張っている姿を見て来たので……苦しいことも一緒に乗り越えて来られたというのは、バスケットボールに関わらず、なかなかできない経験だと思うので、少しでも自分が支えになれたら良かったなと思いますし、優勝キャプテンにしたかったという思いがあります。」