Wリーグ公式WEBサイト恒例企画!
第21回Wリーグにおける「アウォード」および「リーダーズ」の表彰者へ独占インタビューを敢行!
今シーズンの活躍の裏にあったそれぞれの想いに迫ります。
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第21回Wリーグ アウォード表彰者インタビュー
「”終わりのないループ”だからこその醍醐味」
アウォード【レフェリー オブ ザ イヤー】
渡邊 整(わたなべ ひとし)
※2年連続4回目の受賞
──2年連続4回目の受賞です。率直な感想をお聞かせください。
「初めに、新型コロナウイルスの影響でシーズンが終了を余儀なくされました。最後まで楽しみにしてくださったファンや地域サポーターの皆さま、最高のパフォーマンスを発揮しようと日々練習を重ねた選手やコーチ、チーム関係者の方々のことを思うととても残念に思います。一日も早い収束を心より望んでいます。今回の受賞ですが、大変名誉なことで嬉しく思います。JBA(日本バスケットボール協会)やWJBL、審判仲間、周囲の方々のサポートのお陰だと感謝しています」
──今シーズンのWリーグはどんな印象でしたか?
「ベテラン勢はオリンピックやリーグ後半(プレーオフ)に照準を合わせ、技術の向上やモチベーションアップを図っていたと感じます。若手やルーキーたちは、ベテランの姿を見ながら多くを学んだはずですし、自分たちの長所を生かした積極的なプレーを見せてくれていたと思います。試合ごとにニューヒロインが現れたような印象があり、これもファンや地元サポーターの存在、JBAを頂点とする選手育成の効果ではないでしょうか」
──信頼されるレフェリーになるための心がけや、キャリアを積んでもなお工夫していることはありますか。
「信頼を得るために、私もコーチや選手へのリスペクトを忘れません。必要な話に耳を傾け、逆に必要な情報をしっかり伝えるよう努めています。心理状態を掴みながらきめ細かい判定をする、クルーと情報を共有する、ベンチスタッフとのコミュニケーションを図るといった多種多様な引き出しから、的確なツールを取り出す工夫を続けなければなりません。経験を積むことでプレーや戦術、選手のスキル以外に感情など、心に秘めた部分も肌で感じ、それらを生かした判定をしなければならないと思っています」
──レフェリーの面白さ、醍醐味を教えてください。
「一つ課題を解決しても、また新たな課題が見つかる。“これで完璧”という答えがない、終わりのないループだからか面白いのかも知れません。その中でも、常に全力を出し切って戦いを終えた両チームに、大きな拍手や声援が送られる現場に立つと、達成感や充実感は格別なものです。これからの若手レフェリーに期待したいことは、現在のJBAの指導体制はとても理に適ったものですから、それに沿って研鑽を積んで欲しいということ。また、コートではたくさんの情報を受信し、処理をし、的確に発信していく必要がありますから、今このタイミングと雰囲気でしか『見聞きできないこと』『感じ取らなければならないこと』などを、現場で経験することだけに限らず、審判仲間のレフェリングを観戦することを通して、情報をキャッチする能力(感性)を高める(磨く)ことにも時間を費やし体得して欲しいです。私も一緒に成長し続けたらいいなと思っています」