いつもWリーグに温かいご声援をいただき誠にありがとうございます。
今年も、Wリーグ公式サイト恒例企画として第22回Wリーグにおける「アウォード」および「リーダーズ」の表彰者のインタビューを掲載いたします。
それぞれに2020-21シーズンを振り返ってもらいました。
梅嵜 英毅(ENEOSサンフラワーズ)
アウォード 【コーチ オブ ザ イヤー】初受賞
「選手たちがメンタル面の強さを発揮してくれたと思います」
──シーズンを振り返って、序盤の手応えはいかがでしたか? 新戦力の台頭もありました。
「ベテラン組も安定していましたし、梅沢(ガディシャ樹奈)がいい結果を出していました。藤本(愛瑚)も自分の役割を理解し、力を発揮できていたと思います。ガードに関しては開幕前からケガ人が出てしまい、宮崎(早織)の負担が大きくならないよう対策を考え、若手の星(杏璃)らを起用していこうと考えていました」
──皇后杯は苦しい中、タイトルを死守しました。この時の心境を教えてください。
「好調だった梅沢が11月に離脱しましたが、その穴は中村(優花)や中田(珠未)らでカバーできる。その時点では、皇后杯の連覇は十分に狙えるとシミュレーションしていました。ただ、渡嘉敷(来夢)がケガをして、なんとか富士通戦を乗り切るのが精いっぱいの中、中村や藤本、中田らが起用に応えてくれました。乗り切った後は、準決勝、決勝に向け、スタッフと話し合い戦術を変えていきました」
──まず手をつけたのは、どういった点でしょうか?
「高さのアドバンテージがなくなりましたが、そこは長年続けてきたENEOSのバスケットですから、選手たちにあまり負荷がかからないよう、プレーしやすい状況を見出だそうと考えました。そこで岡本(彩也花)と宮崎のスピード、ドリブルの上手さを生かそうと。この2人に、ドリブル突破やリングへアタックしていくプレーを心掛けてほしいと伝えました。チーム全体には、全員でリバウンドを取りに行き、ディフェンスを頑張ろうとしつこく指示をしました」
──そのような中、リーグ戦後半は宮澤夕貴選手も一時離脱を余儀なくされました。
「そこからは、いかにプレーオフへつなげるかが重要で、一番に考えたのはこれ以上ケガ人を出さないこと。コンディションを調整しながら、プレーオフに向けて戦うということでした。選手たちがメンタル面の強さを発揮してくれたと思います。普段から、連覇をしているプライドや負けてはいけないというプレッシャーを力に変えながら練習を続けています。最後まで、自分たちは絶対に勝つんだという気持ちの強さを、改めて感じました。
シーズン全体を振り返ると、いろいろな意味で勉強になったシーズンでした。高さを生かした、これまでのバスケットができない状況になりましたが、だからこそ個々の選手が持つポテンシャルの高さが見えましたし、それぞれがプレーの幅を広げられたのではないかと感じています」
──コーチ オブ ザ イヤー受賞の率直な感想をお願いします。
「名前が呼ばれた瞬間は、まだ負けたことを考え続えていたのでピンと来ませんでした。この賞はメディア関係者やチーム関係者などから投票していただいての受賞。感謝の気持ちでいっぱいですし、コーチとしてのキャリアにとっては、私自身ステップアップにつながるものだと思っています」